日本のインテリア

健康を確保するための冬の室温

誰もが経験している通り、室温(室内熱環境)は「寒い/暑い、暖かい/涼しい」といった感覚とつがなっています。こうした感覚は「快適かどうか?」という言葉で表現できるものです。もちろん、ほとんどすべての人は「(室内熱環境として)快適な住環境を確保したい」と考えていると思います。

一方、最近になって室温が健康に影響を及ぼすことがわかってきました。とくに不適切な冬の室温が呼吸器系や循環器系の疾患を中心に健康への悪影響を及ぼすという研究が進んできたのです。こうした研究を受けてWHOも2018年に「居室(長く過ごす部屋)の冬の室温を概ね18℃未満にしないことを強く推奨する」というメッセージを出すようになっています。

また、暖房室と非暖房室との温度差によって急激な血圧変動が生じ、重篤な疾患を引き起こすことも指摘されています(※)。

「家づくりにおいて快適と健康のどちらを重視するか?」というのは人それぞれでしょうが、私はまず「健康を確保する」という視点が適切だと考えます。実際には以下の室温を目指すことを推奨します。

​居室

その部屋に人がいる時間において21℃程度を維持しつつ、概ね18℃未満にしない

​居室(暖房室)と

非居室(非暖房室)の温度差

概ね5℃以内

なおこうした室温が実現できれば、快適性も一定に確保されることを付記しておきます。また、こうした室温を(エネルギーデザインも考えながら)実現するために必要なことについては『冷暖房計画』のページで述べています。

※暖房室と非暖房室の温度差によって生じる疾患のことをヒートショックと呼ぶのが一般的でしたが、室温に関わる健康影響の総称としてヒートショックと呼ぶ人も増えているようです。

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WHOは2018年に出版したこの報告書で「居室の冬の室温を概ね18℃未満にしないことを強く推奨する」と述べている